Monthly Archives: 10月 2018

京都市にて「照ラスハウス」上棟

昨年から京都で計画・設計してました「照ラスハウス」の棟が上がりました。

 

 

4層スキップフロアの中央にテラスが配置された、各室への日射を考えた住宅です。

 

京都市内の土地は昔のなごりで、間口が狭く、奥行きが長い所が多いです。

 

必然的に奥行きの長い建物になるのですが、町屋の場合、暗くどんよりとする奥側に坪庭があり、採光と風が抜けるよう工夫されています。

 

現在でいうコートハウス(中庭を配した住宅)に近いです。

 

今回設計した「照ラスハウス」の形状は、コートハウスの概念に近く、名称に隠喩するテラスハウスの概念とは異なります。

 

一般的にテラスハウスとは、間仕切壁を共有した連続する戸建て住宅のことをいいます。

 

昔でいう長屋ですね。

 

この土地に建っていた建物も、隣とくっついていました。

 

元は長屋、現在でいうテラスハウスの形状であったことから、本プランの要である日射(照ラス)と掛け合わせて銘々したわけです。

 

番組のテラスハウスと掛け合わせたわけではありません。

 

スキップフロアで構造部材も多く、大工さんたちも大変だったと思いますが、無事に上棟できてよかったです。

 

工事関係者の皆様おつかれさまでした。

 

そして、お施主様おめでとうございます。

 

 

 

天使降臨

久々に散髪に行ってきました。

 

もうかれこれ20年以上、髪をお任せしている美容師さんです。

 

だからすごく安心して任せられますし、とてもリラックスできる貴重な時間です。

 

毎回3時間弱くらいかけて丁寧に施術してくれます。

 

その途中の工程で毎回天使が降臨するのです。

 

その天使の姿がこれ!!

 

頭に輪っかをつけて、なんとも愛らしい、それでいて気品漂う姿です。

 

こういう発見もリラックスしているからこそ。

 

建築でもある程度リラックスしてもらえるように、お客さんに接するようにしています。

 

そうすれば、きっと建築にも愛らしい天使が降りてくるから。

 

冗談はさておき、何事にも気を緩めて広く考えるということが必要です。

 

ガチガチに固まって考えると、視野が狭まります。

 

数ヶ月に一度の極端にリラックスできた日でありました。

 

 

 

 

 

大黒柱というもの

工事終盤の「福咲きの家」。

 

その大黒柱の塗装をしてきました。

 

最近の住宅では、大黒柱がほぼなくなりました。

 

大黒柱とは、日本民家の中央にある、他よりも太い柱で、その建築の多くを負担する象徴的なものでした。

 

お城などの大規模木造建築では、心柱と言います。

 

一家の大黒柱というのも、全てを支えているという意味から、人間に置き換えた言葉です。

 

この福咲きの家は、100年以上建っていた藁葺き古民家を解体し、その部材を再利用しながら新築した住宅です。

 

残念ながら旧家の大黒柱は、永い年月の間に劣化が著しく、再利用できなかったので、新調することになりました。

 

旧家に違わず、新しい大黒柱も、デザイン的にではなく、このお家の多くの重量を担う大切な構造の主要柱として組み込みました。

 

そして今回、このお家がこれから永く存続するように、大黒柱に思いを込めて塗装を施しました。

 

お施主様ご一族の支えとなるように、この大黒柱が見守ってくれるでしょう。