自然光を考える

建築物にある自然光とは数多くの種類があり、それぞれの状況により使い分けられる。

 

敷地の方位、周辺状況、建物のプランにより、自然光の扱い方は変わってくる。

 

南に開けて周辺に遮るもののない敷地は都心部ではまず無いに等しい。

 

そういった場合にどのように自然光を取得するかというのも建築プランの大きな要因になってくる。

 

現在工事進行中の物件では、1階に面して大きな屋根を備えたテラスがある。この屋根付テラスはお施主さんのひとつの要望であるが、この屋根付テラスがあるから室内は暗くなりますでは、建築としてはあまりに短絡的である。

 

要望は叶えつつ、自然光を取り込む方法やプランを考え実現しなくては我々の存在意義はないに等しい。

 

この物件では、テラスに面した居間と居室に吹抜とハイサイドの窓を設けることで、この問題を解消した。

 

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<ハイサイド窓>

 

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<吹抜空間>

 

当然、建物の外観をよりよくするのと2階の間取りも成立するように同時に全てを考える。

 

これこそ短絡的に吹抜やハイサイド窓を採用するといのは愚の骨頂である。

 

太陽の動きや日射角度を熟慮して窓の配置を考える。

 

こういった光の取り込み方で大きく建物の空間が違ってくるので、プラン上よくよく考える必要がある。

 

更には冬季の日射取得率を上げるということも、暖房負荷を軽減する大きな要因である。

 

すべて総合的に計画できるというのは、自由設計の大きな大きなメリットである。

 

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