自然光のありかた

今日は、大阪で打ち合わせ、そして京都で打ち合わせ。

 

同じ関西といえど、移動に時間がかかる。

 

JR大阪駅まで、JR京都駅までなら、たいして時間はかからないのですが、それぞれ目的地まで市内の移動と打ち合わせを含めると帰ってくるまで丸一日かかるわけです。

 

どこでもドア、若しくは瞬間移動ができれば、現代的に合理的に考えると、スカイプのような遠隔モニター打ち合わせが優れているということになるのですが、建築に関してはそういうわけにはいかないのです。

 

人と人が対話する上で、会わないとニュアンスや感情が伝わりにくい、そういう部分は当然あるでしょう。

 

それ以上に大切なことが、建築というものに内包されたとき、その近い空間で外観視するというときの感覚というものが、とても大切であり、それを自分の中に取り込むということが重要であるからです。

 

だから建築に携わっている以上、移動も達成するための一部であるといえるでしょう。

 

京都の現場は工事序盤で、雨仕舞いが完全ではないので、要所をブルーシートで覆っています。

 

この建築は、冬の日射熱を有効に建物内に獲得するために、建物形状に工夫を凝らしています。

 

 

これは温熱環境的に優位になるような考えですが、私にとっては温熱という物理的理論よりも、南北に奥行きのある敷地で、北側奥の生活空間に自然光が気持ちよく届くということ、暗い空間に映える光の美しさというものの可能性に大いに感情が高揚するのです。

 

この建物では、居る場所によって自然光の感じ方が異なり、それぞれの光の楽しみ方ができるようにしています。

 

まだ多くが覆われていて完全ではありませんが、その片鱗を現場で感じることができたのも、実際に現場に訪れてこそのものなのです。

 

この敷地での、温熱+自然光のありかたの両立を実現する予定です。

 

工事が進むことが楽しみであります。