カテゴリー別アーカイブ: グランデザイン

ノスタルジックの消化

過去の情景に惹かれるという人はいると思う。

 

私もその一人だけれど、この現象というのは、今でもうまく理解できないことがある。

 

綺麗とか面白いとか、そんな明快な感情ではないからです。

 

なんか過去に戻ったようで懐かしい感じ、という簡単な感情ではない。

 

刹那に全身を駆け巡る感覚。

 

経過した時間が生み出す雰囲気というか様相というか、そういったものを物理的に見て、それに記憶を照らし合わせて融合、美化させ、心に染み込んで身体に広がっていく、そんなことが、瞬時に繰り返し起こっているような感じ。

 

認識できない間隔で、瞬間的に現在と過去のタイムトリップを繰り返しているのだろうか?

 

ただこの感覚は、古いもの全てに感じるわけではない。

 

先に書いた、記憶に照らし合わせて融合できなければ、心には届かないのだと思っています。

 

過去に行ったことのない場所でも、そのカテゴリーが記憶と融合できるなら、過去の体験と合致する必要はない。

 

現在と過去を瞬時に行き来するので、これほど刺激的なことはありません。

 

だから忙しくても、この感覚を得たいと思い、今日はそんな場所でランチ。

 

 

そして、その場に定着すると、現在と過去のピストン運動は、緩やかになり、高揚感から安息感へ変化するのです。

 

そして次には、この空間と同じ記憶のカテゴリのものへの高揚感は減るのだと思います。

 

今日もまたひとつ、お食事と共に、ノスタルジックを消化したのでした。

 

 

 

 


Re:bar

加古川市で工事を進めていました、バーの完成写真撮影でした。

 

バーの名前は、「Re:bar」です。

 

お客さんが、リピートする、リターンする、そしてリバーという加古川にちなんだ意味が含まれています。

 

リバー(川)からデザインイメージを創りました。

 

川底から水面を見上げると、どのように見えるのか。

 

陸地部分を水面で切りとると、その部分は土や石だろう。

 

その部分は光がないので、きっと真っ暗だろう。

 

水面からは光が落ちてくるだろう。

 

そこで、水面と陸地を反転させて、陸地部分から光を、水面部分を漆黒で表現し、自然の摂理を反転させることで、異世界のイメージとし、常識にとらわれない未知の可能性を秘めた空間となるように考えた。

 

その川底に、一際白く輝くパール塗装のカウンターがこの空間を支配するように構えている。

 

異世界にせりあがる白く輝く物体。

 

この流線型のカウンターで異世界を感じながらお酒を楽しんでもらいたいと思う。

 

このバーは会員制なので、場所を伝えることができなくて残念です。

 

この私のバーテンダーもどきの姿で疑似体験してくださいませ。

 

 

 

 

 


薪ストーブとエアコン

現在は、エアコンで暖を採ることがほとんどです。

 

電源入れて、室温を自動で温度を調節してくれる。

 

ただ、それ以上でもそれ以下でもない。

 

便利さと、情緒は反比例の関係にあるように思う。

 

薪ストーブは便利でないから設置する人が少ないのではなく、手間をかけるゆとりがないのだ。

 

ほとんどの人が、良さを理解している。

 

私もそうだ。

 

だから便利さを否定しているのではない。

 

でも日常に落とし込むことができず、旅行先などで、数日その情緒に触れられることで満たしているのだ。

 

炎、薪が燃える音、匂い、そして空気の色が変わるかのように包まれる暖かさ。

 

エアコンは建築の中の温度を変えるだけ。

 

建築ではなく、付属機器。

 

しかし、薪ストーブはその暖める空気とともに、建築と一体となる。

 

そう、建築となるのです。

 

だから薪ストーブで薪を炊いたことを思い浮かべると、この建築空間が変化し、自身の行動がそれに促されることを想像する。

 

エアコンを運転して、自身の行動が促されるであるだろうか。

 

それが運転していることすら想像しないだろう。

 

人の生活とはそういうものだと思う。

 

今日は、薪ストーブの設置された部屋で、暫し陶酔しながら文学調にそんなことを考えたのでした。

 

あ~うらやましい。

 

お施主さんへの引渡しの前に、一泊したいと思いました。笑

 

 

 

 


目神山の家~調和~

工事中の目神山の現場打ち合わせ。

 

内装も仕上がってきて、空間の空気が変わってきました。

 

色というものは、空間に大きな影響を与える。

 

奇抜な色は主張するため敬遠されがちだけど、周りの色合いとともに抑えられ、その色の本来の意味が滲み出てくるように感じる。

 

 

調和する配色というのはこういうことだろう。

 

それでは外観は、何と調和するのだろうか?

 

それは、目神山の恵まれた自然との調和だと思う。

 

敷地の傾斜に合わせて建物形状を考え設計した建築、言い方を変えれば土地との調和だ。

 

調和というものを深く考えさせられる建築です。