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京都市にて「照ラスハウス」上棟

昨年から京都で計画・設計してました「照ラスハウス」の棟が上がりました。

 

 

4層スキップフロアの中央にテラスが配置された、各室への日射を考えた住宅です。

 

京都市内の土地は昔のなごりで、間口が狭く、奥行きが長い所が多いです。

 

必然的に奥行きの長い建物になるのですが、町屋の場合、暗くどんよりとする奥側に坪庭があり、採光と風が抜けるよう工夫されています。

 

現在でいうコートハウス(中庭を配した住宅)に近いです。

 

今回設計した「照ラスハウス」の形状は、コートハウスの概念に近く、名称に隠喩するテラスハウスの概念とは異なります。

 

一般的にテラスハウスとは、間仕切壁を共有した連続する戸建て住宅のことをいいます。

 

昔でいう長屋ですね。

 

この土地に建っていた建物も、隣とくっついていました。

 

元は長屋、現在でいうテラスハウスの形状であったことから、本プランの要である日射(照ラス)と掛け合わせて銘々したわけです。

 

番組のテラスハウスと掛け合わせたわけではありません。

 

スキップフロアで構造部材も多く、大工さんたちも大変だったと思いますが、無事に上棟できてよかったです。

 

工事関係者の皆様おつかれさまでした。

 

そして、お施主様おめでとうございます。

 

 

 

大黒柱というもの

工事終盤の「福咲きの家」。

 

その大黒柱の塗装をしてきました。

 

最近の住宅では、大黒柱がほぼなくなりました。

 

大黒柱とは、日本民家の中央にある、他よりも太い柱で、その建築の多くを負担する象徴的なものでした。

 

お城などの大規模木造建築では、心柱と言います。

 

一家の大黒柱というのも、全てを支えているという意味から、人間に置き換えた言葉です。

 

この福咲きの家は、100年以上建っていた藁葺き古民家を解体し、その部材を再利用しながら新築した住宅です。

 

残念ながら旧家の大黒柱は、永い年月の間に劣化が著しく、再利用できなかったので、新調することになりました。

 

旧家に違わず、新しい大黒柱も、デザイン的にではなく、このお家の多くの重量を担う大切な構造の主要柱として組み込みました。

 

そして今回、このお家がこれから永く存続するように、大黒柱に思いを込めて塗装を施しました。

 

お施主様ご一族の支えとなるように、この大黒柱が見守ってくれるでしょう。

 

 

 

傾斜地に建つ家 気密測定

傾斜地に建つ家の気密測定を行いました。

 

気密測定とは、室内外の気圧差が9.8paのとき、内部の空気が外部へどの程度流れ出すか測定して隙間面積を算出し、それを床面積で割って、C値(相当隙間面積)を求めます。

 

C値は数値が小さくなるほど、高気密な状態となります。

 

C値=2.0で高気密住宅と言われます。

 

床面積1㎡あたり、2cm2の隙間がある状態です。

 

まあまあ隙間があるように感じますよね。

 

今回のお家で測定した結果は、C値=0.3でした。

 

いつも1.0以下を必須としていますが、あっさりと0.3という数値がでたのも、大工さんのきめ細やかな仕事のおかげです。

 

気密性というのは、室内の冷暖房負荷に影響するだけでなく、計画換気にも影響を及ぼします。

 

適切な換気ルートを計画していても、予期せぬところから空気が漏れると換気のルートが定まりません。

 

気密性が高いと、給気口から新鮮空気が流入し、計画通りのルートで室内空気が排気口から排出されます。

 

きれいに室内の空気が換気できるということです。

 

高気密になるほど、給気をしっかりしないと、室内が負圧となって、排気能力を発揮できない状態になるので、排気だけではなく給気もしっかり確保する必要があります。

 

建築には、第1種換気、第2種換気、第3種換気と大きく3種類の換気方法があります。

 

更に換気時に室内外の空気を熱交換する換気方法もあり、最適な方法を選定することが重要です。

 

今日は少しまじめに書きました。

 

最後は現場での記念撮影。

 

 

あとで写真を見て気づきましたが、お施主さんも参加してくれてました。笑

 

 

 

 

新築ひょっこりはん

毎度ですが、プランを考えるのにかなりの労力を要します。

 

 

1日考え込んで答えに近づいてる実感が全くなく気持ちが落ちそうになることもあります。

 

ひょっこりはんというのが流行っているようですが、ひょっこりとプラン出てきてほしいものです。

 

はいっ!ひょっこりはん!

 

 

こんなことしてる間にもっと考えろってことですよ。

 

わざわざ絵を描いて、写真撮ってブログアップする間があったらってことですよね。

 

でもこのリラックスがいいわけで。

 

そしてこの後、無事にプランの基本方針が見えたのでした。