ロカ岬 =Cabo da Roca=

ユーラシア大陸最西端のロカ岬にリスボンから足を伸ばしました。
ユーラシア大陸最西端と言っても、ピンときませんが、とりあえず特別な場所というだけで行きたくなります。
日本から行くとなると、かなりの時間が掛かります。もし、日本から東周りでこの最西端の地に行ったとしたら、最西端の地に更に西側から辿り着くので微妙ですね。
案の定、何もありません。
海と崖と石碑とおみやげ屋とバス停だけです。
だけど、人だけはたくさんいる・・・。
意味のある場所に人は集まってきます。
こんな何もない場所でも。
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ポルトガルの詩人による叙事詩の一節「地ここに終わり、海始まる」と書かれています。
その横で自分が書いたかのようにアイスマン。堂々としています。
昔、空間論の授業で聞いた話ですが、何もないところに柱が一本あると人はそれを中心にして行動する。
何もないところに2本の柱があれば、人はその間を通り抜ける。3本あれば、人はその囲まれた中に居住するか、神聖な場所とするか、特別な場所にします。
空間から捉えた人の本能的な建築の必要性がここにあります。
簡単に言うと人は何かよりどころが必要なのかも知れません。
公園のグラウンドの真ん中で、大の字になって熟睡できるでしょうか?何か不安になって木の下などに移動するような気がします。
お店に入っても端の席というのは落ち着きやすいと思います。
ですからこのロカ岬も地球規模の隅っこということで落ち着く場所なのでしょう。
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一番西へ--、よくある光景です・・・。
「背水の陣」・・・川を背にして、退けば溺れる・・決死の覚悟で全力を尽くす。
置き換えると、後ろからは敵が来ない、一番落ち着く体制であるが故に最大限の力を引き出せたのかもしれません。
今、ボクが一番落ち着くのは、気の知れた仲間と飲むお酒です。
ロカ岬より背水の陣よりもイイもんです。