オビドス =Obidos=

城郭都市オビドス。
オビドス2
リスボンからバスで1時間ちょっと離れたところにあります。
ムーア人によって築かれた城壁に囲まれた街です。ムーア人とはアフリカ北西部のイスラム教徒達のことです。
スペインもそうですが、ポルトガルも同じく西洋の文化と、イスラムの文化が混在しています。
この白い壁もオレンジ色(赤瓦・スペイン瓦)の瓦もイスラムの居住形式の影響を色濃く残しています。
日本の建築のように中国からの影響を強く受けているのと同じ感じです。
オビドス3
この小さな町はポルトガル王国時代に奪取されて、その後王妃達の直轄区となります。
当時の王妃たちのお気に入りの場所だったようです。
こじんまりしていて、とてもかわいらしいです。
マリー・アントワネットのベルサイユ宮殿のような扱いだったのでしょうか。
ベルサイユ宮殿のようにゴージャスではありませんが、どちらかと言えば質素ですが、この雰囲気がまた居心地いいのかもしれませんね。
オビドス1
日本の村に農家のお家がならんでいるような感覚でしょうか・・・う~んちょっと違いますね。
1000人にも満たないこの街は、みんな知り合いで、何かあればみんなで解決するといった日本にもある昔の情景が残っています。
街には飲み屋も数件しかなくて、顔見知りが毎晩集まる、そんな素敵なとこです。
夕方になってこの街から帰ろうとしたら、バスが終わってしまっていたので、バーに行き、どうしたら帰れるか相談したら、すぐに知り合いのタクシーを呼んでくれました。
わざわざ、店の公衆電話でお金を払って掛けてくれたので、電話代を払おうとしたら、
「そんなんいらんよ。またおいで。」って感じで見送ってくれました。
こういうことをサラっとやってくれると、右も左も分からない外国人は過剰にありがたく感じます。
オビドス5
ヨーロッパでは、小さい街や大きい街に関わらず、地域性を大切にして、周りの人との交流も大切にします。
周りで悪いことをしている子供達がいたら、周りの大人が叱る。ボクたちが小さい頃もよく知らない大人に叱られました。
それは、経済が発展しても変わらずに根付いている素晴らしい文化です。
これはボクの主観ですが、日本は経済や物資も他の多くの国よりも豊かですが、それと反比例して心はどんどん貧しくなっていくようで少し寂しいです・・・。
人のことは言えません、ボクもそうだと思います。
だからこそ、こういう素晴らしいと感じることは、大切にしていきたいと思います。
日本人も奥ゆかしく美しい心を持っているので、もっともっと良い文化を築けたらいいなと思います。