カテゴリー別アーカイブ: スペイン建築

スペイン建築研修4

バルセロナの夜。

 

バルセロナは、日本と比べるとかなり治安が悪いので、注意しなくてはいけませんが、静まり返った夜は、とても贅沢なのです。

 

日中、観光客で溢れかえる街中も、深夜になると、BARやレストランで賑わう場所意外、ほとんど人がいなくなります。

 

そして、ゆっくりと、ガウディ建築や町並みを鑑賞できるのです。

 

夜中に歩きまわるのはお勧めできませんが、この上ない素晴らしい空気を感じることができます。

 

 

観光客だらけの町並みは、いろんなものが混じり合った状態なので、本当のバルセロナ自体を感じるということは困難です。

 

静まり返った町並みを眺めていると、ゆっくりと空気を感じて、いろんなことが身体に入ってくる感じがします。

 

そっと静かに佇む、ガウディ建築は、夜になるといかに町並みに馴染んでいるかが伺えます。

 

カサ・ミラは、特に意識していなければ、通りすぎてしまいそうなほど、その存在を見事に夜の闇と同調しています。

 

 

ガウディ建築の自然造形美が、単なる人工物と一線を画くするところです。

 

経年変化も伴い、その感覚がますます増しているようにも思えます。

 

私が、建築にもとめる、経年による美というものを、見事に感じさせてくれます。

 

なんか、古くなってみすぼらしいね、という建築はかわいそうです。

 

なんか味が出てきて、渋いねとなりたいですよね。

 

ガウディ建築は、そんな一般的なレベルではありませんが、私が目指す、もっとも最高のものです。

 

それを、ひしひしと味わえるのが、深夜の姿でありました。

 

もし、体験されようとする方は、くれぐれもお気をつけくださいませ。

 

 

 

 

 


スペイン建築研修2

スペインといえば、やっぱりスペイン料理!

 

 

タパス、ピンチョス、パエリヤそしてお酒!

 

今回も、バルをハシゴしまくりました。

 

その土地の感覚を知るには、食事と酒が一番です。

 

スペイン人は、日本と違って、一件のお店で、長居しないんです。

 

数杯飲んで、軽く食べて、次の店へみたいな感じで、ふら~っと、顔見知りのお店の人と喋りにきている感じですね。

 

皆、気さくだけど、他人に合わせようとしない。

 

そんな文化だから、カウンターに料理が並んでいて、さっと選んで喋ってお構いなく店を出る。

 

 

そもそも飲食店といえど、日本とは本質的に、求められるものが違うのです。

 

日本でも、近年では、立ち飲みの店が増えましたが、やはり場所をしっかり考えないと、うまくいかないのです。

 

スペインでは、繁華街以外でも、カウンターで立ち話しながら、お酒を楽しんでいますし、腰を据えてという感じは少ないですね。

 

料理の味付けは、ほとんどが濃い目で、熱々のものはほぼ無いです。

 

これもサクッと少量食べるのに、丁度いいです。

 

繰り返し過ぎると太りますが。。。

 

その店に来るお客さんを十分に想定して、無理のない店舗とすることの重要性がわかります。

 

ただ、食文化は多様化していく傾向にあるので、何かに特化したお店の場合は、その店の独自のスタイルを貫くほうが、より差別化を図れるとも思います。

 

ただ、その領域は、大衆酒場ではなく、レストランの部類に入るのだろうと感じました。

 

大衆酒場の領域で特化するには、ということが、更に深く考えるべき要素かなと思いました。
なぜこの店は内装も普通なのに、お客が多くくるのかとか、洗練されているように見えるけど、お客が少ないなど、自国ではない場所では、新鮮に考えることができます。

 

 

我々は、飲食店経営者ではないので、クライアントの意向に沿えばいいのかもしれませんが、そうしたことを考えて建築に投影しないと、活きたものにならないのです。

 

そんな真面目なことを書きながらも、実のところお酒を飲み過ぎて、酔っ払っているのですが。笑

 

今回得た感覚が、今後の店舗設計に、更に活かされると実感しました。

 

 

 

 


スペイン建築研修1

約6年ぶりにスペインに訪れました。

 

今回は、建築仲間との訪問です。

 

主にバルセロナでの滞在で、当然建築を学ぶ機会ではあったのですが、今回はフラットな気持ちで、空気を感じられるような時間にしたいと考えていました。

 

行きの飛行機内では、自分を鼓舞するために、やはりこの映画。。。

 

 

まず最初に訪れたのは、コロニアグエルにある、ガウディ未完の聖堂です。

 

ガウディ建築の中でもっとも、素晴らしいと思う建築物です。

 

建築は静物ですが、この聖堂は生物のような佇まいで、私たちを魅了します。

 

 

椅子に腰掛けて、その場の空気を感じていると、特異性のある構造が、自然に感じられ、全てがしっくりとくるのです。

 

ガウディ建築といえば、装飾的なとか、独特なとか、奇抜な建築だと思う人が多いのですが、その場に身を置くと、その合理性や、無理のない空間を感じることができるでしょう。

 

これが、私にとっての建築を感じるということです。

 

見た目だけで、評論するのではなく、その身で感じて、感覚で建築を捉えるということは、その建築の真髄に触れるもっとも有効な手段だと思っています。

 

この建築だけではなく、周りの環境にも、気を向けると、より多くのことを感じることができます。

 

建築を観るというよりは感じる、そんな時間にしたいと思い、最初から多くの建築に訪れることはせず、なるべく街を歩くことに時間を費やしました。

 

食文化、街並み、人々の様相、6年経った今、懐かしいと思うようではいけないとも思いました。

 

そんな、スペイン建築研修を少しずつ、投稿したいと思います。

 

 

 

 

 


引き算の住居

住宅のプランしている時に、「住宅とは?」ということを自分自身に問いかけます。

日本最古の住宅と言われるいる竪穴住居にまで遡って考える必要はないのかもしれませんが、
私はこの竪穴住居というものにとても魅力を感じます。

何故かというと、住宅として不必要なものが見当たらない。
そして建築として地中をも空間の一部として利用しているということです。
土地に小屋組だけが建っているような外観ですが、
地面に50cmほどの穴を掘ることによって、内部空間の高さを確保しています。

当然外の地面より室内の床が下がりますから、雨仕舞いが悪いという問題はあります。
そしてそれを改善するように、屋根を持ち上げるような構造に進化していきます。

我々はその進化の過程を経験したわけではなので、
柱や梁に支えられ、窓があり電気や水道がありという住宅が当たり前なのですが、
それでもそれに囚われすぎるのもどうかと考えてしまいます。

スペイン滞在中に、訪れた集落を思い出します。
グラナダの東60kmくらいのところにグァディクスという場所があります。
そこにジプシーの洞窟住居が軒(?)を連ねています。

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洞窟いわゆる横穴住居です。
小高い丘に白い煙突がニョキニョキと生えています。
家族で1ヶ月ほど土を掘ると4m四方(9.5帖)ほどの部屋ができるそうです。
そして漆喰で塗り固めます。
子供が生まれたら部屋を掘るといったイメージでしょうか。

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必要なときに必要なだけ空間を造りだすので、無駄なものはできようがありません。

日本やその他多くの国の住宅が何もないところに材料を持ってきて建てる、
いわば足し算の住宅であれば、この洞窟住居は引き算の住居ということです。

無駄なものという共通の概念はありませんが、必要なもののみで構築されたと思われる空間はとても居心地がいいです。
この洞窟住居もなんともいえない居心地の良さでした。

プランをしながらこういうことを考えていると、全く手が進みませんが、
「住宅とは?」ということを意識しながら考えることは大切なことだと思います。

そうそう洞窟住居の集落を歩いている時に、自転車に乗った若者に声を掛けられました。
彼の腕に入った「塔」という漢字のタトゥーを指さして、
スペイン語で何ていう意味なの?と訊いてきました。
「torre」と幸いにも知っていたスペイン語で答えてあげると、その若者は喜んで自転車で走り去っていきました。

意味を知らずにタトゥーを入れるのも凄いなと思いましたが、
それより気になったのが、「塔」という文字。
洞窟住居に住みながら「塔」という文字を入れている。。。
なんともユーモアのある彫士さんだったんでしょうね。

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