カテゴリー別アーカイブ: 日本建築

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東京建築探訪

偉人の建築に触れるのは、建築を考える上で最も重要なことであり、学びの基本であると考えています。

 

忙しくてそういった時間が減ってしまっているのを感じてはいますが、合間をみて訪れて感じるようには心がけています。

 

今回は、世界的有名建築家の磯崎新さんの処女作である木造住宅に訪れました。

 

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美術家である吉村益信氏のアトリエ兼住宅として1957年に建築されました。

 

白いモルタル塗りの外壁から、「新宿ホワイトハウス」と呼ばれ、今はカフェとして使用されています。

 

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カフェとして中に入ることができるというのは、とてもありがたいことで、住宅として建てられた場合は外観しか見ることができないということがしばしばあります。

 

中に入りゆっくりとカフェオレをいただきながら、その空間を感じることができ、とてもよかったです。
そして、イタリアのナポリのユースホステルで同室になったドイツ人が、磯崎新氏のことをすごいすごいと絶賛していたのを思い出しました。
ドイツにも名建築を残す磯崎新氏の処女作に触れるというのは、とても貴重なものです。

 

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寸法を意識しているんだろと感じさせる空間の容積はとても心地よいもので、建築の気持ちよさというものを感じることができます。

 

時を越えて活躍する建築というものは本当に素晴らしいです。

 

 

 

 


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枚方市三矢町という場所

昨日は、朝から姫路にて新築工事中の美容院の構造材の打ち合わせを行い、その足で枚方市三矢町へ向かいました。

 

特別な場所。

 

初心に戻れる場所。

 

京街道(大坂街道)、大阪と京都の間に位置する宿場町。

 

私にとっての枚方とはこの三矢町のことです。

 

両親は神戸と明石の出身ですが、私はこの町で生まれました。

 

時折訪れては、懐かしくもあり、いろんな新しい気付きもある。

 

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まずは、意賀美神社で挨拶をし、京街道を見下ろすことのできる豊臣秀吉が建てた御茶屋御殿跡で一息。

 

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その傍らには、100本余りの梅林もあります。

 

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子供のころは梅林など興味もなかったし、御茶屋御殿跡があったということも意識に残っていない。

 

しかし今はとても素晴らしい場所だと感じることができる。

 

歳を重ねると、ものの見方というものは当然変わっていくけど、幼少期に潜在的に素晴らしいものだと植えつけられるものが存在することをこの場所に来て認識できる。

 

お寺の数が尋常じゃないくらい多く密集しているのも、他の街をしらなかったので、それが普通で何の疑問も持たず、お寺の瓦屋根にキン消しを投げては転がって落ちてくるのをキャッチするのを楽しむ罰当たりな遊びをしていました(笑)

 

今でもロビンマスクが瓦屋根の上に止まって落ちてこず、登下校のたびに屋根上のロビンマスクの安否を気にして見上げていたのを覚えています。(ある日無くなっていて、ロビンマスクがどうなったのかは未だに分からないままです。。。)

 

そんなことを思い出しながら、車が走ることの困難な細い道を一通り散策すると、小学校の同級生が営む「塩熊商店」へ挨拶に伺います。

 

江戸時代からある商店だとは、子供の頃は知りもしなかったし、この街が歴史深い街だとも知りませんでした。

 

そんな歴史ある街並みが、時代とともに変わっているのがすごく分かります。

 

時間をおいて訪れるので、その変化を感じやすいのでしょう。

 

そんな中、塩熊商店さんが、枚方三矢の活性化に邁進されています。

 

私が住んでいたのはマンションで、当時複数の集団登校のグループがありましたが、今はゼロになってしまったということを聞き驚きました。

 

しかし小学校の子供の数は増えているということです。
駅前にマンションが建ち並び大阪市内や近郊で働く人が増えているという理由です。

 

これはとても複雑な心境なのですが、幼少期に私が住んでいたマンションも当時は、近郊労働者のために建てられたものだと思うことです。三矢町にふさわしくないという反対があったのだろうと今では想像できます。。。

 

古い場所は新しくなり、いずれ他の町と変わらないベッドタウンになってしまうのでしょうか。

 

塩熊さんにて、今でも他とは違う趣のあるこの場所は、私の感性と一体であり、神戸に移り住んでからも素晴らしいと思い続けることのできる歴史残るこの町をなんとかしたいという思いを語らせてもらい、気づくと3時間ほど話こんでしまいました。
(お忙しい中申し訳ない。)

 

建築は常に歴史とともにあり、建築をとおして協力していければと思います。

 

自分が幸せになるための素晴らしい感性を育んでくれたこの町への恩返し。

 

そして、同時にロビンマスクの行方も突き止めることができれば幸いです(笑)

 

 


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身近なものを考える=地下鉄=

最近よく地下鉄を利用する。
今日も神奈川で地鎮祭があり、新幹線・新神戸駅までの乗り継ぎで利用しました。

 

電車を待っているときによく考えることがある。

 

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<神戸市営地下鉄・新神戸駅>

 

なぜこんなに殺風景なのか。。。

 

色が少ない。
仮設的。
温かみがない。

 

こんなことを考えてると、電車の待ち時間もすぐに過ぎてしまうけど、
こんなことを考えて時間が過ぎるよりも、もっと心地よく過ごせないものか。。。

 

路面電車と違って、自然光がないので、空気も比較的どんよりとしています。
さあどうしたものか。
もっと心地よい空間だと、待ち時間も楽しいのにと、
ふと、フランス・パリの地下鉄のことを思い出します。

 

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「cluny la sorbonne」
国立中世美術館近くにある地下鉄の駅。

 

ひとり旅の寂しさを癒してくれた駅です。

 

駅がひとつの空間として演出されています。
ホームの上部から広がる明かりは、ヴォールトの天井面を舐めて、
必要なところは明るく、全体としてここちよい明かるさの空間に。
おのずと天井を見上げてしまうような素晴らしい演出です。

 

防犯や安全などいろいろ考えることもあると思いますが、気持ちも豊かになるとそういった面でも有効だと思います。
圧倒的な空間だと、ホームでの歩きスマホも減るかもしれませんね。

 

電車に乗るためだけの場所ではなく、そこで過ごす場所ととらえれば、また違った移動のあり方が生まれてくると思います。

 

駅にくると癒される。
駅にくると話が弾む。
駅にくると活力が沸いてくる。

 

いろんな色のある駅を利用することが楽しくなるような、
そんな移動が実現したらもっと素晴らしい毎日になるでしょう。

 

 


朽ちて尚圧倒的な建築

先日、神奈川県で打ち合わせがあった帰りに、箱根に寄ってザ・プリンス箱根(旧箱根プリンスホテル)とそこから歩いて20分ほどのところにある箱根樹木園内にある休憩・レセプシヨン施設を訪れました。

 

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1978年開業のホテルと1971年竣工の休憩所、どちらも村野藤吾さん設計の建築物です。

 

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どちらも素晴らしい建築ですが、約40年経った今ではこの2棟の建物の様相は大きく違っています。

 

ホテルは現在も多くの宿泊客が利用し、そのクラシカルかつ素材感漂う建築が圧倒的な存在感を放っています。
休憩所のほうは、、、かなり前に閉館となり今では茅葺の屋根が落ち、苔が生して、廃墟となっても尚、圧倒的な存在感を放っています。

 

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外観の森に溶け込むような素材と、高貴な品格のあるしつらえの内観とのギャップが激しいこの休憩所は、独特な雰囲気を感じさせます。
朽ちて森に溶け込みそうになるほど、その独特な雰囲気が際立っているように感じます。

 

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建築当時は、天皇陛下の来訪を予定して設計されたということもあり、芦ノ湖を望むレセプションスペースという用途であったということです。
イタリア南部アルベロベッロの民家の円錐屋根トゥルッロを彷彿とさせる外観は、日本的という素材としつらえで見事に森と同化しています。
内観も絢爛豪華というわけではなく、クラシカルな落ち着いた気品さを漂わせています。

 

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現在も稼動しているホテルに劣らない、圧倒的な存在感。
朽ちても枯れない建築とは、設計思想が強く漂うかどうかということなのかもしれません。

 

機能性が失われた建築でも、思想が強ければ、朽ちても圧倒的な建築であると認識できました。

 

久々に心に染みた
とても素晴らしい寄り道でした。

 

 

 

 


カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2016年8月1日