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屋外照明シェード強度アップ&視認性アップ

先日OB客様から、屋外門柱の照明が破損してしまったという連絡を受けました。

 

その照明はグランデザインのお手製照明でした。

 

様々な照明を検討した上で、その場所にふさわしいものは、製作するしかないという答えにいたり、屋外でも裸電球のようにシンプルに透明に光るシェードを造りました。

 

裸電球をそのまま屋外で使用すると、漏電してしまうので、LED電球を覆うように白熱電球のガラス部分をシェード代わりに改造したものでした。

 

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シンプルでやさしく光る照明はこのお家の入口に静かな境界をもたせてくれていました。

 

ただ強度と昼間の視認性に問題があり、宅配業者さんが気づかずに破損させてしまいました。

 

強度面では、ガードを付けるなど検討しましたが、やはりこの裸電球の形状に拘ることにしました。

 

しかしこの形状で強度を上げるのはどうしたものか。

 

そこで試用したのが、エポキシ樹脂です。

 

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エポキシ樹脂でガラスの表面と裏面をコーティングすれば、強度は格段に上がるはずです。

 

コーティングしたガラスを硬いもので叩いても、ヒビは入るけど、エポキシ樹脂皮膜を破ることはできません。

 

さて事務所でスタッフ全員でどのようにするか相談しながら、実験を繰り返し、3パターン製作することに至りました。

 

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№1 WHITE BUNNY
№2 GORDEN ROE
№3 TASOKARE (誰そ彼。映画「君の名は」の主題ともいえる言葉。黄昏。)

 

さあ、なんのことか分かりませんよね。

 

内容の説明はまたのブログで。

 

 

 

空間を支配する照明

先日、住宅の引渡しをしました。

 

お施主さんのご要望で全体的に余白を持たせた仕上がりになりました。

 

この住宅のコアである吹き抜け空間。

 

そこにお施主さん支給の照明が吊り下げられました。

 

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イサムノグチ氏の照明が吊られ、空間がぐっと引き締まりました。

 

内部の障子も照明と同調をはじめ、息吹はじめるように、空間に躍動感が生まれます。

 

素晴らしいデザインの照明は空間を歪ますことができる、若しくは周囲を引き上げる力がある。

 

今回の建築はそういう感覚を分かりやすく体験できるものでした。

 

照明により建築空間が大きく変化します。

 

想像した空間を実現するために、どのような照明計画とするかは、とても重要なことなのです。

 

 

 

 

建築の歴史を辿る

私の出生地である大阪府枚方市三矢町。

 

そこは、江戸時代に枚方宿として、大阪から京都に続く京街道の宿場町として栄えていました。

 

そしてそこには本陣という大名たちのための宿泊施設がありました。

 

本陣跡資料のコピー

 

今は現存せず、跡地の一部として三矢公園があります。

 

そんな歴史も知らずに、小さい頃はその公園でよく遊びました。

 

その頃から30数年経ち、現在枚方市三矢町の友人から依頼され本陣について調査しています。

 

枚方宿本陣についての文献は乏しく、実際の姿は分かりませんが、調べているうちにある情報に辿りつきました。

 

和歌山県にこの本陣の一部が移築されたという情報です。

 

役場の教育課の人に連絡をとり、事情を説明すると、快く調べてくださり、ある一軒のお屋敷に辿りつきました。

 

確証はないけど、可能性のある建築です。

 

近隣の方にも話を聞くことができ、可能性のあるお屋敷の歴史的価値が高まってきます。

 

そのお屋敷の所有者の方にも見せていただく承諾をとり、その建築を調査させていただきました。

 

この建物が本陣の一部であるかの確証には至っていませんが、たいへん貴重なものに触れました。

 

建築というものの力を知りました。

 

建築が歴史を教えてくれます。

 

いろんな歴史の中で建築は生まれるのですが、建築から読み解く歴史は、大きな歴史の流れの中の一点を、より身近でより濃く教えてくれます。

 

建築に携わる中でこれ以上に未知でおもしろいものはないかもしれません。

 

引き続き、同時期に建築された他の現存する本陣と比較したりと調査を続けますが、どのような結果であれ答えに辿りつくのが楽しみでありません。

 

カブトムシと時間

先日、カブトムシ20匹すべてが無事羽化しました。
まだ羽化して間もないので、外に出てこず土の中でゆっくり過ごしています。

 

カブトムシとの付き合いも長いのですが、約1年で命をまっとうするのを見ていると、とても短い生涯だなと思います。
ですが、そう思うのは人間をベースに考えるからであって、カブトムシ自身は短いとか考えてないでしょう。

 

カブトムシと人間の時間の感じ方は同じとは言えないのです。

 

生物ごとに寿命が違うというのも不思議です。

 

寿命は同じだけど、時間の感じ方が違うということも考えられます。

 

もしすべての生物と呼ばれるものの寿命が同じだとしたら、
カブトムシの平均寿命1年=日本人男性の平均寿命80歳
となります。

 

では、カブトムシを人間の時間軸に合わせると、卵から羽化までが約8ヶ月なので、現在のカブトムシの年齢は、80歳x8ヶ月/12ヶ月=53歳です。

 

私よりすでに先輩です。

 

カブトムシの時間は我々人間の約80倍のスピードで流れているということを、否定することはできません。

 

その速度の中で彼らが感じてることを我々は感じることができません。
彼らからすると、我々の手が数ヶ月かけて徐々に近づいてきて、数ヶ月かけて角をつままれて持ち上げられる。
彼らからすると、どういう状況か理解できていないのだろうと思う。

 

我々も自らの意思で行なってると思ってることが、もっと大きな何かに操られているだけかもしれない。
我々はその存在を理解することはできないのだろうと思う。

 

久々にスケッチをしながら、カブトムシを注視していると、もっと頑張らねばと思うのでした。

 

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カテゴリー : pickup | 趣味

投 稿 日 : 2017年6月29日