昨日、お仕事の研修で岐阜県に行ってきました。
朝一から無暖房住宅の見学をして、三菱電気の中津川製作所にて熱交換式換気扇等を見学、そして最後に美濃市にある森林アカデミーに向かうことになりました。
美濃ICを降りて、その森林アカデミーへ向かう途中、うだつの上がる町という案内標識がでていたので、同僚のIくんとちょっと寄っていこうということになりました。
うだつが上がる・・・うだつが上がらないとはよく聞きます。
このうだつとは諸説ありますが、建築で使われる言葉に由来することが多いようです。
ボクが聞いたのは、建物の2階の両端に張り出して設けてある防火壁のことをうだちと言い、昔は裕福な家しかこれを設けられなかったので、相手のことを卑下してうだつがあがらんやっちゃな~という風に使うということでした。
この町もこの由来の通りに防火壁を設けてある家の町でした。
時間がなかったので、サッと通りましたが、確かにうだつが上がる感じでした。
防火壁を設けることによって建物の輪郭がくっきりと浮かび上がり、確かに力強さ、権力の象徴のようにも見えてきます。
<ボクが見た中で一番のうだち>
うだつがあがらない人は、ぜひ訪れてみてはどうでしょう
ボクもこれでうだつが上がるかも・・・。
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Category Archives: 日本建築
姫路の白鳥城VS白鷺城
前回のブログで書いたドイツのノイシュヴァンシュタイン城は白鳥城と呼ばれるのに対して、姫路城は白鷺城と呼ばれます。
なかなか優劣付け難いこの両者を見比べるべく姫路に行こうと思いました。
すると、姫路にも白鳥城が築城されたというではありませんか。
いつからこんな計画があったのか全く知りませんでした。
<赤い印のところらへん>
山頂に佇む、どこかで見覚えのあるフォルム・・・。
ノイシュヴァンシュタイン城ではありませんか
ドイツの本物より少し小さいみたいですが、そのままです・・・。
同じ市内で白鳥城と、白鷺城を見ることになるとは・・・。
福祉施設として築城されたこの姫路の白鳥城は、用途やコンセプト(障害をもつかたも、そうでない方も一緒に働ける場所)は良いとしても、
建物として姫路城を引き合いに出すにはあまりにも失礼というか、なんというか・・・。
なぜ、ノイシュヴァンシュタイン城をマネたのか
レプリカということで、いくらお金を掛けようと、この建物の造形の存在意義はそれで打ち止めです。
ルートヴィヒ2世がこの建物を見たら嘆くでしょう。
「おおなんということだ我がノイシュヴァンシュタインよ
なんて悲し気なんだ!
」
日本の伝統、様式、土地の持つ空気感、そのどれにもに属さない異種な目立つ偽物・・・。
用途は素晴らしいと感じることができるので、これがまた残念です。
なぜ、姫路城というとても立派な建物が近くにあるのに、それに学ぼうとしないのか・・・疑問です。
姫路城のようなお城を建てたら良いと言っているのではありませんが、その場所の多くの精神性や土地の持つ意味は具体的にではありませんが、何かうっすらとでも感じるはずです。
当然ながらこの建物を見て、気持ちが高揚することもありません。心に音楽が流れることもありません。
偽ノイシュヴァンシュタイン城VS姫路城は、
当然、姫路城の圧勝
<姫路城、北側からの見上げ>
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京都 知恩院本堂(御影堂)保存修理 2
知恩院御影堂の内部に入ると、天井が剥がされていて、小屋組が見えました。
見えましたが部材が多すぎて、何か分かりません。
<御影堂小屋組>
しかし綺麗です。
こういうのを「用の美」というんでしょうね。
そうしていると、すぐ傍らで金物の復元修復の実演をしていました。
タガネでコツコツと彫っていきます。
一緒にいた友達のKちゃんは、金属茶筒の職人なので、茶さじに文字を彫るなど同じような仕事をしています。
そういう話をしていると、金物の復元の実演をしていたおじさんが、「ちょっと字を彫ってみてよ。」と言いました。
友達のKちゃんはみんなの前で何かをすることが、とても苦手なので断っていましたが、ボクを含めてみんないろいろはやしたてるので、渋々引き受けて文字を彫り始めました。
<知恩院で文字を彫るKちゃん>
その文字は「鶴」。
見ていたお客さんの中から、「なんで鶴なんですか」という問いかけがあり、Kちゃんは「昔の彼女の名前が・・・。」と訳の分からないことを喋り出しました。
さっと文字を彫ってしまったところはさすがですが、
文化財の中で、女々しい公表です。
でもそういう純粋なところが彼の魅力です。
純粋すぎてきわどいことをしてしまうこともありますが・・・。
少し前もこんなことがありました。
今でも昔の彼女のことを思っているKちゃん。
元彼女からの連絡を今でも待ち続けています。
一緒に食事をしている時に、そんな話になって、勢いで今から会いに行こうということになりました。
もの凄く渋っているKちゃんを勢いで彼女の家まで連れて行きました。
でも、なかなかオートロックのチャイムを押せないKちゃん・・・。
さすがにここは代わりに押すということはできません。
長い間、インターホンの前で無言の格闘が続きました。
こっちにも緊張が伝わってきて、ボクもドキドキしました。
「Kちゃんもう帰ろっか?」
「・・・・・・・。」
と、しばらくしてようやくチャイムを押しましたが・・・、留守でした。
ほっとしたのと、半分残念だったのとが入り混じった様子でした。
ボソッとKちゃんが、「ついこの前も来たんよね。チャイム押せんかったけど。」
「えっ




「・・・・・・・。」
きっと何回も来てるのでしょう。
一応、ストーカーという言葉は教えておきました・・・。
でも、30歳過ぎてこんなドキドキする体験をさせてくれるKちゃんの純粋さはとても好きです。
その純粋さで、これからも良いものを造ってくださいね。
そしてこれからもヨロシク。

<Kちゃんと知恩院三門のケヤキの柱>
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そしてKちゃんに拍手を。

京都 知恩院本堂(御影堂)保存修理 1
今日は知恩院御影堂の保存修理の現場を公開していたので、京都の友達と見に行きました。
正式には華頂山知恩教院大谷寺と言い浄土宗の総本山です。
場所は京都市東山区、八坂神社の近くです。
<知恩院三門>
御影堂の他に集會堂も保存修理します。
工期は平成17年7月1日~平成30年12月31日までの予定です。
御影堂は屋根瓦の劣化による雨漏りや、軒の出が大きいことにより先端が下がってしまっている為、瓦の全面葺き替えや腐朽箇所の取替えなどを行います。
一度失火により焼失した後に寛永16年(1639年)に再建された建物です。
その後、明治41年(1908年)に大修理が行われています。
文化財の保存修理の現場を実際に間近で見るのは初めてだったので、とてもうれしかったです。
屋根の瓦を葺く直前の状態を見ることができました。
凄い勾配です
そして凄いスケールです
保存修理には莫大な費用が掛かります。
一般的な屋根の上の素屋根(仮設の屋根)だけでも2億、3億円掛かります
この御影堂の素屋根はいくらか分かりませんが、東大寺の大仏殿の素屋根は15億~20億円掛かったと言われています
建物の修理をする準備だけでも相当な費用が掛かるのです。
こういう大変なことを繰り返しながら、後世に伝えていく・・・
伝統を受け継ぐために。
宮大工さんの言われていたことで、とても興味が沸いたのは、「建物を通じて何百年前の大工と話ができるようだ」という言葉でした。
何百年前の大工さんがどのように木を加工したのか、どういうところで悩んでいたのかなどが、保存修理をしていると伝わってくるそうです。
とても素晴らしいことだと思いませんか
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