カテゴリー別アーカイブ: 日本建築

朽ちて尚圧倒的な建築

先日、神奈川県で打ち合わせがあった帰りに、箱根に寄ってザ・プリンス箱根(旧箱根プリンスホテル)とそこから歩いて20分ほどのところにある箱根樹木園内にある休憩・レセプシヨン施設を訪れました。

 

IMG_0179

 

1978年開業のホテルと1971年竣工の休憩所、どちらも村野藤吾さん設計の建築物です。

 

IMG_0192

 

どちらも素晴らしい建築ですが、約40年経った今ではこの2棟の建物の様相は大きく違っています。

 

ホテルは現在も多くの宿泊客が利用し、そのクラシカルかつ素材感漂う建築が圧倒的な存在感を放っています。
休憩所のほうは、、、かなり前に閉館となり今では茅葺の屋根が落ち、苔が生して、廃墟となっても尚、圧倒的な存在感を放っています。

 

IMG_0230

 

外観の森に溶け込むような素材と、高貴な品格のあるしつらえの内観とのギャップが激しいこの休憩所は、独特な雰囲気を感じさせます。
朽ちて森に溶け込みそうになるほど、その独特な雰囲気が際立っているように感じます。

 

IMG_0223

 

建築当時は、天皇陛下の来訪を予定して設計されたということもあり、芦ノ湖を望むレセプションスペースという用途であったということです。
イタリア南部アルベロベッロの民家の円錐屋根トゥルッロを彷彿とさせる外観は、日本的という素材としつらえで見事に森と同化しています。
内観も絢爛豪華というわけではなく、クラシカルな落ち着いた気品さを漂わせています。

 

IMG_0228

 

現在も稼動しているホテルに劣らない、圧倒的な存在感。
朽ちても枯れない建築とは、設計思想が強く漂うかどうかということなのかもしれません。

 

機能性が失われた建築でも、思想が強ければ、朽ちても圧倒的な建築であると認識できました。

 

久々に心に染みた
とても素晴らしい寄り道でした。

 

 

 

 


カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2016年8月1日

建築デザインを考える②

意味が備わらないデザインはしたくないというのが、ひとつの拘りです。

 

建築空間には必ず意味があるとおもうので、そこに備わるものにも意味があるべきだと考えます。

 

事例を紹介します。

 

IMG_2594

 

神戸北野坂の本格中華料理店「中国菜群青」の店舗内にあるVIP席へ上がる階段のスリットから見える壁。
濃紺と土色の左官仕上げによるこの壁のデザインは何を意味しているか分かるでしょうか?

 

このお店のマスターコンセプトは深海。
そこにある唯一の段差。
この部分はどのような意味があるのかと考えました。VIP席へ行く人だけが真正面に見る壁。

 

深海にある段差。
イメージしたのは深海の地層でした。
よく知る積み重ねられた地層ではない。
深海の底にある地層は、きっと、動き、歪み、そして分離し、きっと地球とともに、永い年を重ねて、私の知らない表情となっているだろう。
それは美しく、神秘的なもので、しかし控えめなものであると想像しました。

 

階段下というのはちょうど良い場所。
VIP席に赴く入口にあることで、その場所を未知の場所という意味にしたいと思いました。

 

何度も描き直した末に最終的に描き上げたスケッチは、極力地層というものを意識せずに、ふと手の赴くままに描いたA4用紙の端の5センチ角ほどのスケッチだったのですが、左官職人さんがその小さなスケッチを、左官壁へ投影してくれました。
力強いとも優しいともなんとも形容し難い、デザインとなりました。

 

デザインの意味とはそれがある空間にとってとても重要です。
「中国菜群青」へ行かれた際には、絶品料理とお酒をいただきながら、ふと目にしていただければと思います。

 

 


カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2016年7月1日

世界の建築ポータルサイトhomifyに掲載していただきました

homifyは、世界の住宅デザイン・北欧インテリア・収納雑貨・DIYアイデアなど、最新の情報を得られる「住まい」総合ポータルサイトです。

 

そのサイトでグランデザインで設計した「Vintage Resort House」の特集記事を掲載していただきました。

 

日本と韓国とポーランドで、それぞれ取り上げていただいています。

 

韓国語とポーランド語は翻訳機能を使って読んでください。
WEB翻訳は完全ではありませんが、なんとなく意味は分かります。
(リンクはこの記事の最後にまとめています。)

 

このように記事にしていただくのはとても有難いことです。

 

韓国やポーランドの人たちが見てどのような印象を受けるのか非常に興味があります。

 

完成した建築物に言葉は要らない、そこにはいろんな人の思いが詰まっていると思うからです。

 

他国の人の心に何かしら響けば何よりです。

 

homify-j
日本
https://www.homify.jp/ideabooks/624228

 

 

homify-k

韓国
https://www.homify.co.kr/ideabooks/611318

 

 

homify-p

ポーランド
https://www.homify.pl/katalogi-inspiracji/697555/willa-pelna-egzotyki

 

 

 


カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2016年5月14日

横浜ドックヤードガーデンにてロマンを感じる

昨日は、神奈川県で住宅の打ち合わせでした。

 

神奈川県は初めて訪れましたので、打ち合わせ後に少しだけ横浜を観光しました。

 

横浜は神戸と似ていると思っていましたが、全く規模が違うことに驚きました。
横浜市の人口は約370万人、神戸市は約155万人です。
横浜市の面積約437㎡、神戸市の面積約552㎡。

 

神戸市よりも面積が小さいのに倍以上の人口なので全く街の規模が違うことも納得です。

 

今回は日帰りでしたので、少しだけの観光です。

 

いろいろ行きたいところがあるのですが、横浜駅からほど近い場所にある
国重要文化財のドックヤードガーデンに行きました。

 

IMG_9675

 

日本に現存する商船用石造りドックとしてはもっとも古い、「旧横浜船渠第2号ドック」を復元されたものです。
現在はここでいろんなイベントが催されているようです。
そしてドックヤードの中には、いろんなお店が入っていて、とても興味深い活用のされ方でした。

 

IMG_9677

 

建築物ではありませんが、この石積みの工作物は圧巻です。
駅からこの場所に近づくにつれて人が増えてきたので、みんな観光で行くのかなと思っていました。
地上にはたくさん人がて賑わっていましたが、下まで降りて見ていたのは私含めて5人しかいませんでした。

 

こういう時にすっごいアウェイ感を味わいます。。。
結構ワクワクしていたのに、観光客もあんまり関心ないんや。。。

 

この石積みの技術は明治時代に西洋から学んで、設計されたものだというロマン。
明治29年竣工。スペインではガウディが数々の有名となる建築物を生み出していると同時期に完成したドックです。
私にとってはとても貴重な文化財です。

 

街中でありながら、とてもインスピレーションを受ける場所でした。

 

その近くにある故・丹下健三さん設計の横浜美術館がありましたが、
訪れた時間が遅く中に入ることはできませんでした。
また改めて行こうと思います。

 

IMG_9687

 

やっぱり関東は観るところが多い、また打ち合わせの合間にちょいちょい観て学ばせてもらいます。

 

 

 


カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2016年4月11日